高卒認定
高卒資格と高卒認定の違いとは?進学・就職への影響と選び方を解説
「高校を中退してしまったけれど、将来のために大学進学や就職の準備をしたい」
このように考えたとき、選択肢として浮かぶのが「高卒資格」と「高卒認定」です。
しかし、「この2つはそもそも何が違うのか?」「履歴書の書き方はどうなるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、高卒資格と高卒認定の決定的な違いをはじめ、取得までの期間や費用、進学・就職における評価の差について詳しく解説します。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらの選択が最適なのかを見つけるための判断材料として、ぜひお役立てください。
【学歴】高卒資格と高卒認定の違い
高卒資格と高卒認定は、どちらもその後の進路を広げるための選択肢ですが、法律上の位置づけや性質は大きく異なります。
自分に合った進路を選ぶために、まずは両者の決定的な違いを「学歴」の観点から正しく理解しましょう。
高卒資格は正式な「学歴(高等学校卒業)」になる
高卒資格とは、学校教育法に定められた高等学校(全日制・定時制・通信制)を卒業した際に得られる正式な「学歴」のことです。
高卒資格を取得するためには、原則として3年以上の在籍期間が必要となり、さらに74単位以上の単位修得や学校行事への参加など、国が定める卒業要件を満たさなければなりません。
費用面においては、3年間の授業料や教科書代、通学費などが継続して発生するため、ある程度のまとまった資金(公立でも3年間で数十万円、私立や通信制ではそれ以上)が必要になります。
しかし、その分「高校に3年間継続して通い、卒業した」という事実が公的に証明されるため、就職活動や進学においては有利になります。
すべての大学・短大・専門学校の受験資格を満たすのはもちろんのこと、高卒以上の求人に対しても「高卒」として応募可能です。
履歴書にも堂々と「高等学校卒業」と記載できるため、社会的な信用度が非常に高く、将来の選択肢を最も安定して広げられるルートといえます。
高卒認定は「資格(学力認定)」であり最終学歴は中卒のまま
一方で、高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)は、高校を卒業した者と同等以上の学力があることを国が認定する試験、つまり「資格」の扱いになります。
そのため、試験に合格したとしても高校を卒業したことにはならず、ほかに上位の学歴(大卒など)を取得しない限り、法律上の最終学歴は「中学校卒業(中卒)」のままとなります。
高卒認定の最大のメリットは、取得にかかる期間と費用の少なさです。試験は年に2回(8月・11月)実施され、1回の試験で全科目に合格すれば、最短で取得可能です。
費用も数千円の受験料と教材費程度に抑えられるため、経済的・時間的な負担を大幅に軽減できます。
進学面においては、合格すれば大学や短大、専門学校の受験資格が得られるため、高卒資格を持つ人と同等に扱われます。その後、大学などを卒業すれば最終学歴は「大学卒業」となるため、中卒の学歴は上書きされます。
しかし、就職面では注意が必要です。公務員試験や多くの企業で「高卒と同等」とみなされますが、一部の企業では「学歴は中卒」と判断されるケースもあり、進学せずに就職する場合などでは評価に差が出ることがあります。
履歴書における書き方の違い
高卒資格と高卒認定では、履歴書の書き方にも明確な違いがあります。企業側はここを見て応募者の経歴を判断するため、それぞれの正しい記載方法を把握しておくことが重要です。
まず、高卒資格を持っている場合は、学歴欄に「〇年〇月 〇〇高等学校 卒業」と記載します。全日制・定時制・通信制のいずれであっても書き方は同じであり、企業に対して正式な高卒の学歴があることをひと目でアピールできます。
対して、高卒認定試験に合格した場合は、学歴欄に「〇年〇月 高等学校卒業程度認定試験合格」と記載するのが一般的です。ただし、これ自体は学歴ではなく資格であるため、中学校卒業の経歴を書いた次の行に記載します。
高卒認定の合格後に大学や専門学校を卒業した場合は、その下に「〇年〇月 〇〇大学 卒業」と続くため最終学歴の懸念はなくなります。
しかし、高卒認定のみで就職活動を行う場合は、採用担当者に「学歴は中卒だが、高卒同等の学力がある」と認識される点を理解しておきましょう。
【条件・期間・費用】高卒資格と高卒認定の違い

高卒資格と高卒認定は、取得するための条件や必要となる期間、そして費用が大きく異なります。
ここでは、それぞれの具体的な取得要件や目安となる費用について詳しく解説します。
高卒資格の取得条件
高卒資格を取得するためには、学校教育法に基づき、国が定めるいくつかの基準を満たして高校を卒業する必要があります。全日制、定時制、通信制のどの課程であっても、基本的な要件は共通しています。
まず最大の条件となるのが、「高等学校に3年以上在籍すること」です。飛び級制度は原則として設けられていないため、最短でも3年間の学習期間が必須となります。
次に「74単位以上の単位を修得すること」が求められます。各教科の授業を受け、定期テストや課題提出などで一定の成績を収めることで単位が認定されます。
さらに、ホームルームや学校行事などの「特別活動に30単位時間以上出席・参加すること」も必須条件です。
これらすべての条件を満たし、最終的に学校長から卒業を認められることで、初めて「高卒資格(学歴)」を得ることができます。
なお、過去に高校を中退している場合は、前籍校での在籍期間や修得単位を引き継いで学び直せるケースも多くあります。
高卒認定の取得条件
高卒認定の取得条件は、高等学校卒業程度認定試験において、定められた科目に合格することです。
受験資格は「試験を受ける年度の終わり(3月31日)までに満16歳以上になる者」であり、かつ「大学入学資格を持たない者(高校を卒業していない者など)」と規定されています。
試験は年に2回(8月と11月)実施され、国語、数学、英語などの必須科目と選択科目を含め、合計8~10科目に合格しなければなりません。
ただし、すべての科目を1回の試験で同時に合格する必要はありません。一度合格した科目の結果は次期以降も有効(科目合格)となるため、自分の学習ペースに合わせて複数回に分けての受験も可能です。
また、過去に高校に在籍して一部の単位を修得した後に中退した方の場合、修得済みの単位を申請することで該当科目の受験が免除される制度があります。技能審査(英検や数検など)の結果を免除要件として活用できる場合もあります。
ただし、試験に合格して得られるのはあくまで「高卒と同等以上の学力があるという認定」であり、大学などへ進学して卒業しない限り、最終学歴は中卒のままとなる点には注意が必要です。
出典:文部科学省 │ 高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)
取得までにかかる期間と費用の目安
高卒資格と高卒認定では、取得に要する期間と費用の目安に明確な違いがあります。
まず「期間」についてです。高卒資格は、前述のとおり「3年以上の在籍」が法律で義務づけられているため、新入学から卒業まで最低でも丸3年間かかります(中退からの編入などを除く)。
一方、高卒認定は在籍期間の縛りがありません。最短で数ヶ月の試験対策を行い、1回の試験で全科目に合格できれば、すぐに資格を取得できます。進学や就職までのタイムリミットが迫っている方にとっては、短期間でステップアップできる点が大きな特徴です。
次に「費用」の目安です。高卒資格を取得する場合、3年間の授業料に加え、入学金、施設設備費、修学旅行費などがかかります。
国や自治体の就学支援金制度を利用して負担を軽減できるものの、公立高校でも教材費や学校納付金などの自己負担が発生します。私立高校や通信制高校では、コースによって100万~300万円程度の費用がかかるケースもあるので学校選びの際は事前に確認することが大切です。
対して高卒認定の場合、必須となる費用は受験料のみです。受験する科目数によって異なりますが、7科目以上の受験でも8,500円(収入印紙代)で済みます。これに独学用の参考書代を数千円~数万円程度加えれば取得を目指せるため、圧倒的に費用を安く抑えられます。
ただし、予備校や専門の通信講座などを利用して学習をサポートしてもらう場合は、別途十数万円~数十万円の費用が発生することもあります。ご自身の進路の目的や学習スタイル、予算に合わせて、どちらが適切かを慎重に比較検討することが大切です。
【評価】高卒資格と高卒認定の違い
高卒資格と高卒認定のどちらを選ぶかは、それぞれのメリットだけでなく、将来的なリスクや制限も含めて比較検討することが大切です。
【進学】どちらも大学・専門学校の受験資格が得られる
大学や短期大学、専門学校への進学を第一の目標とする場合、高卒資格と高卒認定の間に「受験資格」という点での決定的な差はありません。一般入試においては、どちらのルートでもまったく同じ条件での受験が可能です。
ただし、受験方式の選択肢には違いが出ることがあります。
学校推薦型選抜(旧推薦入試)や一部の総合型選抜(旧AO入試)においては、出願条件として「高等学校の卒業(見込み)および学校長からの推薦」や「高校3年間の成績を示す調査書(評定平均)」が求められることが少なくありません。
高卒認定の成績証明書などで代替できる大学も増えてはいますが、推薦入試の利用のしやすさという観点では、高校の調査書が発行される高卒資格のほうが有利になりやすいといえます。
大学中退時のリスク
進学後に万が一、大学や専門学校を中退してしまった場合、高卒資格と高卒認定には最終学歴において決定的な違いが生じます。ここが、進路を選択する際に理解しておかなければならない重要なリスクです。
高卒資格を持つ人が大学を中退した場合、最終学歴は「高等学校卒業(高卒)」として残ります。しかし、高卒認定試験を利用して大学に進学し、途中で中退してしまった場合、法律上の最終学歴は「中学校卒業(中卒)」のままとなります。
高卒認定はあくまで「進学のための資格(学力の証明)」であり、大学などを卒業して初めて「大卒」という学歴に上書きされるからです。
大学中退後に改めて就職活動を行う際、最終学歴が中卒の扱いになることは、採用選考において不利に働く可能性が高いため注意が必要です。
【就職】正社員採用では「高卒資格」が有利になるケースが多い
大学や専門学校へ進学せず、取得後すぐに就職して正社員を目指す場合は、企業からの評価において「高卒資格」のほうが有利になるケースが多いのが実情です。
厚生労働省の「令和5年 若年者雇用実態調査」によると、若年労働者のうち「高卒」の正社員割合が63.5%であるのに対し、高卒認定取得者(法律上の最終学歴は「中卒」)を含む「中卒」では34.0%にとどまっており、両者の間には約30ポイントもの差があります。
高卒認定を取得していれば、公務員試験(高卒程度)の受験や、「高卒と同等以上」を条件とする求人への応募自体は可能です。しかし、多くの民間企業の採用担当者は、学力だけでなく「学校生活を通じた経験」も評価対象とします。
原則3年間の在籍とカリキュラムの消化が必要な高卒資格は、「決められた期間継続して学び、集団生活の中で一定の規律を守って卒業した」という忍耐力や協調性の客観的な証明になります。
一方で、高卒認定は最短数ヶ月や1回の試験で取得できるため、継続的な努力や社会性を企業側にアピールしにくい面があります。
さらに、一部の企業では「高卒以上」の求人に対して、学歴上は中卒となる高卒認定者を対象外として書類選考で見送るケースもあります。
進学を挟まない就職活動を有利に進めたいのであれば、社会的信用度が高く、応募の選択肢が制限されない高卒資格を取得するルートがより確実です。
出典:厚生労働省 │ 令和5年 若年者雇用実態調査 個人調査 現在の就業状況
高卒資格と高卒認定、自分にはどちらが合っている?

これまでの解説を踏まえて、ご自身の現在の状況や将来の目標に照らし合わせ、どちらのルートを選択すべきかを具体的に考えてみましょう。
高卒認定の取得が向いている人
高卒認定の取得に向いているのは、「大学や専門学校への進学」という明確な目標がある人です。
高卒認定の最大のメリットは、高校に3年間在籍せずとも最短で受験資格を得られることであり、進学までの期間短縮を最優先する人にとっては非常に合理的な選択肢といえるでしょう。
また、受験料が数千円程度と安価なため、経済的負担を抑えて自分のペースで効率的に学びたい人にも適しています。
ただし、進学先を卒業しない限り、法律上の最終学歴は「中卒」となる点には注意が必要です。万が一中退や直接就職をする場合、就職活動の学歴フィルターで不利になるリスクが伴います。
したがって、これらのリスクを十分に理解し、どんな困難があっても「必ず進学先を卒業する」という強い意志とモチベーションを維持できる人が向いているといえます。
高卒資格の取得が向いている人
高卒資格の取得が向いているのは、将来のリスクを抑え、進路の選択肢を幅広く保ちたい人です。
高卒資格は正式な「学歴」として一生残るため、進学か就職か目標が定まっていない方にとっても確実な基盤になります。
特に就職を希望する方には、高卒資格がおすすめです。継続して学校生活を送り卒業したという事実が、忍耐力や社会性の客観的指標として評価され、求人の幅が広がって正社員採用で有利になるためです。
また、進学を目指す場合も、推薦型や総合型選抜で必要な調査書を提出できる利点があります。
高卒資格の取得には原則3年以上の在籍期間と一定の学費が求められます。しかし、時間をかけてでも社会的信用を獲得し、進学や就職でつまずくことがないようにしたいという人にとって、最も安心できる選択肢です。
無理なく着実に「高卒資格」を取得するなら通信制高校がおすすめ
「高卒資格」を自分のペースで無理なく取得したいとお考えの方には、通信制高校という選択肢をおすすめします。
通信制高校なら自分のペースで「高卒資格」が得られる
通信制高校は学校教育法に定められた正規の高校です。3年の在籍や所定の単位修得などの卒業要件を満たせば、全日制と同じ「高卒資格」を取得できます。
履歴書に「高等学校卒業」と記載できるため、進学や就職において、高卒認定(最終学歴は中卒)のような制限やリスクを受ける心配がありません。
最大の特徴は、毎日通学する必要がない点です。テキストや動画教材を用いた自宅学習とレポート提出が基本で、年数日~数十日程度のスクーリング(面接指導)に出席し、単位認定試験に合格することで単位を修得します。
不登校の経験がある方や、スポーツや芸術活動、仕事などで忙しい方でも、ライフスタイルに合わせて無理なく学べます。すべて独学となる高卒認定とは異なり、学校のサポートを受けながら学習を進められるため途中で挫折しにくく、着実に「高卒資格」を目指せるのが大きな魅力です。
瑞穂MSCの低学費・個別サポートが後押し
通信制高校での学びを検討する際、費用や学習面での不安を感じる方も少なくありません。瑞穂MSC高等学校では、生徒一人ひとりが安心して高校生活を送り、自分のペースで高卒資格を取得できるよう、充実したサポート体制と通いやすい学費設定を実現しています。
まず、多くの方が懸念される学費についてですが、瑞穂MSCは国が定める就学支援金制度の対象校です。制度を活用することで、低学費で高卒資格を取得できます。
高卒資格を取得するには原則3年間の在籍が必要となるため、トータルの費用負担を抑えられることは、生徒ご本人や保護者の皆様にとって大きな安心材料となるはずです。高卒認定試験の費用の安さに惹かれつつも、「最終学歴を中卒のままにしたくない」という理由で高卒資格を選びたい方にとって、経済的なハードルを大きく下げる選択肢となります。
さらに、瑞穂MSCの強みは、手厚い「個別サポート」にあります。通信制高校での学習は自学自習が基本となるため、学習計画の進め方やレポート作成でつまずいてしまうこともあります。
瑞穂MSCでは、経験豊富な教員が生徒一人ひとりの学力や性格、生活リズムに寄り添い、個別の学習プランを一緒に考えながらきめ細やかな指導をします。
学習面のフォローアップだけでなく、学校生活における不安や、卒業後の進路(大学進学・専門学校・就職)についても、親身になって相談に乗る体制が整っています。
高卒資格と高卒認定のどちらを選ぶべきか迷っているのであれば、ぜひ瑞穂MSCを通して高卒資格を目指すという選択肢も検討してみてください。
まとめ
高卒資格と高卒認定は、最終学歴の扱いや取得までの期間・費用、進学・就職における評価が大きく異なります。
ご自身の目的に合わせて比較することが大切ですが、将来の選択肢をより広げたいのであれば、社会的信用の高い「高卒資格」の取得が推奨されます。
通信制高校であれば、毎日通学する必要がなく、ご自身の無理のないペースで高卒資格を取得できます。
瑞穂MSCは、低学費と手厚い個別サポートを通して、経済面や学習面の不安を抱えている方の高卒資格取得を後押しします。ぜひ、以下からお気軽に資料請求や個別相談をご利用ください。