八重山旧盆の名物「アンガマ」

執筆者:与那原(石垣島本校)


「アンガマ」とは?

アンガマのウシュマイとンミー

沖縄ではお盆は旧暦の7/13~15日にあたり「ソーロン(旧盆)」と呼ばれています。(今年は8/28~30)
旧盆の沖縄伝統行事といえば、「エイサー」が思いつく方が多いかもしれません。
ですが、八重山に伝わる旧盆の伝統行事は「アンガマ」なのです。
「グソー(あの世)」から来る使者の一行「アンガマ」は「ウシュマイ(お爺さん)」「ンミー(お婆さん)が「ファーマー(子孫たち)」を引き連れて太鼓や三線をかき鳴らしながらにぎやかに練り歩き、仏壇のある招待された家々をまわり祖先を供養する旧盆の伝統行事です。
各地域の青年会が1日4~5件の家を回ります。(今回は石垣市字石垣の青年会のアンガマ)

※一行は「あの世」から来る精霊ですので、ファーマー達は「タオル(サングラス着用地域もあり)」で顔を隠して笠をかぶっています。

何をするの?

家に到着したら、まずは仏壇に手を合わせ、家主に挨拶します。
その後ウュマイ・ンミーの踊りで幕が開き、ファーマー達の踊りなどで宴が広げられ、祖先を供養し、子孫繁栄を願います。

アンガマのみどころ

アンガマの一番の見どころはウュマイ、ンミーと見物客の珍問答。
踊りの合間に見物客から「ウシュマーイ!」「ンミー!」と呼ばれると2人(?)は立ち上がり、見物客の質問に方言でトンチの利いた回答をします。

例えば・・・

※台風接近の時

見物客「どうやってこっち来た?」
ウシュマイ「暴風警報が出そうだったから、慌てて臨時便の飛行機に乗って来た」
※出発地は「あの世」です

とか
見物客「グソー(あの世)に行くための5か条は?」
ンシュマイ「①西まくら②逆さ水③つめを切る④ンシュマイとンミーの言うことを聞く!そして一番大切なのは・・・⑤石垣市市民課で死亡届を出すこと!」

その時期の話題を練りこませた問答やこの世とあの世の違いの話で見物客を楽しませてくれます。

1時間ほど宴が広げられた後、最後は家の前で邪気除けの爆竹を鳴らし、一行は太鼓や三線・手拍子で歌いながら次の家へ向かいます。
外からこの練り歩きの歌が聞こえてくると、なぜかソワソワ・ワクワクし外に飛びだしてそのままついていき、次の家へ入ってそのまま見物(この時は勝手に敷地に入ってもOK)住民も少なくないほど、「アンガマ」は八重山人にとって旧盆の楽しみのひとつです。

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